梅雨の晴れ間、気持ちの良い朝日と共に嬉しいニュースがありました。お隣で畜産農家をしている鳥丸さんが、朝の8時頃、汗だくになって尋ねてきてくださいました。朝から大仕事ですか?と聞くと、ニッコリ笑って仔牛が生まれましたよ!!!
たった今生まれたばかりの仔牛です。全身全霊で一生懸命立ち上がろうと頑張っています。なにしろ彼女にとって初めての重力との戦い、今まで使ったことの無い筋肉を駆使して立ち上がろうとしています。それを母牛が後押しするように全身をなめてあげながら応援しています。
出産直後で気が立っている母親の場合はこんな風に写真を撮ることも難しいそうです。それに、口蹄疫がこれだけの騒ぎになっているのに、まだまだよそ者の僕たちを牛舎の中まで招き入れてくださる、鳥丸さんの優しさにも感謝しながら、立ち上がる瞬間を待ちました。だいたい2時間もすれば立ち上がって、初乳を飲み、元気に走り回ると言うことです。逞しいですね〜
でも、宮崎では、このような仔牛でさえも殺処分の対象になっています。ワールドカップに浮かれているテレビでは、口蹄疫への注目は薄くなってきているように思いますが、まだまだ悲惨な状況が続いています。鳥丸さんの牛舎では50頭ほどの牛が飼育されています。ここは仔牛を繁殖させて仔牛のうちに競りにかけて、有名なブランド牛の牛舎に送り出す仕事をしています。口蹄疫が出てから競りもできず、牛は餌を食べ続け、成長してしまうので価値も下がって…どうにもならない状況が続いています。たとえ、競りが始まっても、どの程度の仲買人が参加してくれるものか?口蹄疫が収束しても、農家への負担と被害はしばらくは続いてしまいそうです。