鹿児島に住む友人のNPO法人「くすの木自然館」の事務所も古民家です。先日、遊びに行った時に出入り口の障子に網を張って網戸にしていたのを参考に、工夫して障子を網戸に改造してみます。先日、木の建具を網戸にするのは比較的簡単だったので、障子もできるかな?と思いつつ製作開始です。紙が貼ってある部分に網を張って網戸にしたいと思います。障子網戸は南側の縁側に取り付けたいのですが、問題は障子の高さが5cmほど低いこと、それから、戸車が着いていないので、高さを合わせつつ戸車を付けていきます。どれも初めての作業なので本当にできるのか疑心暗鬼、暗中模索での作業ですが、それもまた楽しい物です。
レールにあたらないように溝を掘ります。その溝に合わせて戸車を付ければ、普通の建具と同じ納まりになります。丸鋸で2本溝を作ってその間を鑿で彫り込みます。丸鋸ってなかなかまっすぐ綺麗に切れないですね…
あまり綺麗とは言えませんが、どうにか戸車がつきました。
こちらは上部。背を高くするために材を入れています。薄い方の材は壁材なので合決り(アイジャクリ)の溝が着いています、取るのも面倒なのでこのまま使ってしまいます。この後、紙をはがし長年の汚れをタワシでごしごし洗い流して乾燥させてから、いよいよ、初挑戦の溝きり作業です。
普通のアルミサッシと同じようにゴムの管で押さえられるように、4方の木枠に5mm幅で深さも5mm程度の溝を切ります。電動のミゾキリカッターがあれば話は早いのですが、値段が結構高いので、溝を掘るカンナを購入しました。ホームセンターの物で値段も安く2500円。「機械作里:キカイシャクリ」と呼ばれている道具です。しかし、これがなかなか思うように使いこなせず、4方に溝を切るのに半日かかってしまいました。。。
端っこや、作里が入らないところはカッターで切れ目をつけて鑿で彫り込んで仕上げました。右腕がクタクタです。この後、外部に面する側にはウレタン艶消しのクリアラッカーを塗って雨対策をして、いよいよ、網を張ります。上手く張れるのか?まったく初めての経験です。ゴムの管は5.5mmの物を使っています。
こんな感じでアルミサッシと同じように、木の溝にもゴム管がぐっと食い込みアミを押さえてくれています。調整しながら張り終える頃には網がパンパンに張り付いたアルミサッシのような網戸ができあがりました。
外から見るとこんな具合です。周囲の建具や納まりとも相性が良いですね。
中から見てもこの通り、透明感のある黒い網と相まって線の細い障子の網戸は予想以上に良い物です。1週間ほどかかりましたが、この出来なら満足です。溝キリさえスムーズにできれば古民家には一番似合う網戸ではないでしょうか?さて、これに気をよくしてもう一枚作ります。