田植えから12日目。苗の根もついて一回り大きくなったように見えます。同時に、泥の上に雑草の芽が見えてきました。雨続きで太陽も出ていないし、水の底で酸素もろくに無いのに、雑草ってすごいですね・・・今生えてくるのはヒエらしいのですが、そのまま放っておくと、稲の苗よりもすぐに大きくなって、日当たりに影響しそうです。
集落で手広く米作をてがけている人からは、除草剤をまけば?というアドバイスが多いのですが、山のツバルのお米は完全無農薬を目指しているので、箱苗の時から一切の薬を入れずに育てようとしています。
ではどうするかというと、昔、妻のおばあちゃんが田んぼに入って、泥の表面をかき回して雑草を浮かせて取っていたという話に基づいて、同じ事にトライしてみました。しかし、これが、とってもとっても大変な作業で、一反だったらどうにかできるけど、専業の農家の規模ではとてもこの方法では処理できないと思うほどの重労働です。
それにこの田んぼは深さが一定ではなく、膝まで一気に沈んでしまうところもあれば、くるぶし上までの場所もあり、深ければ深いほど、足腰に負担がかかり、浅いところでは、一生懸命泥をかき回しても、雑草がなかなか浮き上がってきてくれません。ひとたび田んぼに入るとその列を終わらせるまで休憩できないのも辛いですね。いやいや、農薬が導入されるまでのお百姓さんの苦労を考えると本当に頭が下がります。
この作業を簡略化するためには、除草剤をまくか、合鴨を入れて、鴨に草を食べてもらうか、なのですが、実は合鴨にもちょっと問題があって、、、それはまた改めて書こうと思います。
これが浮き上がってきた草の芽です。まだまだ本当に小さいのですが、これくらいのうちなら、浮かせて放っておけば枯れてしまうでしょうから、早ければ早いほうが良いのかな?などと思いながら無心で作業を進めます。
暑い日中を避けて、午前中だけ作業をしたとして、一反の田んぼを全部マッサージするのに5日間くらいかかりそうです。それが終わったら、除草と肥料を兼用できるといわれている米ぬかを蒔いて様子を見ようと思います。米ぬかも、無農薬で育てた田んぼのお米からとれたヌカを調達して蒔きます。無農薬って一口で言っても本当に大変です。
しかし、つくづく雑草の生命力には感心します。種を蒔いたわけでもなく、肥料もあげないし、水に浸かっていても、グイグイ芽を出して成長する。作物はなぜ雑草のように逞しく育たないのだろうか?その疑問に早くから注目して実践されたのが福岡先生の自然農です。どうせやるなら、自然農を極めたい!昔からそう思ってきましたが、実際に農作業をすればするほど、福岡先生が実践された自然農がいかに合理的かが良く分かります。今年、この田んぼがどうなるか分かりませんが、来年は自然農でできると良いな〜
自然農に興味のある方は 『自然農法-わら一本の革命』柏樹社 を読んでみてください。