311以降、山のツバルのコンセプトの片腕でもある「エネルギーの地産」というキーワードは、より重視されるべきものになってきているように思います。山のツバルの地産エネルギーの主役は「薪」です。薪はストーブと風呂と釜戸と、将来は囲炉裏でも使用したいと考えています。木を燃やして発生した熱エネルギーを熱のまま活用するのでロスが少ない上に、再生可能な自然エネルギーですから、地球温暖化にも寄与しないエネルギーといえます。
その対極にあるのはやはり原子力発電所です。核分裂のエネルギーでお湯を沸かして蒸気を発生させてタービンを回して発電する過程には信じられないロスがあります。まず、発生した全熱量の約70%は原子炉を冷やして安定させるために投入される海水に奪われてしまいます。こう書くと、ふむふむ、と読めますが、見方を変えると核分裂のエネルギーで主に行っているのは「海水を温めること」なのです。その余力で発電している電気で、お湯を沸かしたりするのは、ロスをさらに大きくしていることになります。火力発電所はどうかというと、火力の熱効率は40%程度ですので、どちらも同じようなものです。
電気は送電線を伝って運ばれているときもロスを生じてしまいますから、やはり、エネルギーは家の周りの地域単位で作って消費する方が効率が良く無駄がないと言うことになります。ここ財部は山の中で木は放っておいてもグングン成長しますから、集落単位で雑木林を手入れしながら薪を使っていくのは理にかなっているようです。
昨日、庭というか敷地に生えていたケヤキの木を伐採しました。根本の直径が50cm程度で、ケヤキにしては小振りな部類ですが、家の南側に生えていたので巨木になる前に切って薪にすることにしたのです。小振りと言っても樹高が6mほどもあるので、伐採も簡単ではありませんが、その後の枝の整理が一苦労です。
細かい小枝をハサミで切って、太さ毎に並べていきます。その後、二の腕よりも太い部分は、薪ストーブに合わせて切断し、可能であれば斧で割り乾燥させます。それよりも細いものは40cm位に切りそろえて束ねて乾燥させます。細い材は、釜戸やお風呂の火付けに重宝します。木の大きさにもよりますが丁寧に仕分けて作業をすると、全部処理するのに3日くらいはかかります。
でも、それだけ苦労して時間をかけないとエネルギー源は確保できないことがしみじみ理解できます。その苦労と時間をお金で解決してきたのが今までの暮らし方です。しかし、お金を介して、すべてのことを人任せにしてきたツケが311以降の原発事故の原因だと考えれば、お金に任せてばかりいないで、少しずつでも自分でできることを増やしていく方が良いのではないかと思っています。
といっても、この山のような大枝小枝を全部40cm程度に切り分けていくことを考えると気が遠くなるのも事実です。ツバルの生活も同じですが、自給自足的暮らしは大変ですね・・・明日も愉しく頑張ります。