田植え研修

雨上がりの午後、姶良の自然農のお師匠さんの田んぼで田植えの研修を受けてきました。上の写真は3列田植えが終わっている状態ですが、機械で植える田植えとは随分違います。自然農の田植えは、田んぼに生えている草を倒してかき分けて手の平を広げたほどのスペースを作って、大切に育てた苗を一本ずつ植えていきます。

5〜6週間ほど経過した緑米の苗、田んぼの状況にもよるのでしょうが、ここまで大きくしっかりと育てた苗だからこそ、一本ずつ手で植えることができるのです。今日の田植えを経験する前は、機械で植える貧弱なモヤシのような苗を一本ずつ植えるイメージが頭がから離れなくて、難しいそうな先入観がありましたが、この大きさになっていれば、トウモロコシの苗を買ってきて畑に植えるのと同じような印象です。

これなら僕たちにもできる!そう感じられて嬉しい一日でした。反面、苗をしっかりと育て上げられないと大変だぞ!ということも再認識させられました。山のツバルの苗代は大丈夫かな???

苗床から鎌で根を切らないようにすくい上げ、一本一本、根に土が付いた状態で分けていきます。それをトロ箱にならべて、いよいよ田植え開始。種を下ろすときに、それぞれの種の間隔を2cm程度空くように種をばらつかせる作業をするのですが、それをやっておかないと、田植えの前の準備には手間がかかるし、苗の根を傷めることにもなります。雑草と、苗との選別も同時に行います。

草を倒して鎌でかき分けてスペースを作ったところ。同じく鎌で穴を空けて、その穴に土が付いた苗をギュッと押し込みます。ただ、あまり押し込みすぎてもダメで、根と茎の境目が土のレベルから1cm程度下がるくらいが良いようです。

少し、まわりに草を戻して、これで完成です。苗の周りには直径10cm程度のスペースを残します。苗の分けつの為にスペースを空けておくそうです。

8人、4時間かけて和気藹々と田植えをしてこの面積の田植えが終了しました。

家と田んぼの移動以外、田んぼの中では化石燃料は一切使っていません。また、慣行農業(機械植え)では必ず行う、苗代の土の消毒、追肥、箱苗への農薬散布なども、自然農では一切行いません。逆に考えると、完全に無農薬、無肥料で稲作を行えるのは自然農だけとも言えるのかも知れません。

最近は合鴨米もポピュラーですが、機械植えをする為には、箱苗への薬剤投入はもちろん行いますし、田んぼの雑草だけでは餌が足りないので、抗生剤入りの配合飼料を食べさせます。抗生剤は糞尿となって田んぼに排出され、イネが吸収します。

こういうことも、実際に稲作を体験しないと見えてきません。本当に、安全で安心な食べ物を手にすることがいかに難しいか、そういう疑問が見えてくるのも自然農の魅力の1つだと思います。

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