今まで、外壁を使った薪置きスペースは幾つも作って薪を保管してきましたが、外壁の塗装や一部にひさしをつけたりする為に足場をかけなければならず、外壁薪置き場は撤去しなければならなくなりました。もともと、薪小屋はしっかりした物を幾つか作るつもりでいたのですが、庭の土地利用がしっかり決められなかったので延び延びになっていたという背景もあります。
2年も暮らしていると、ようやく、日当たりや、風通し、他の作物との関係などから、薪小屋に最適と思われる場所がようやくわかってきました。最終的に設置場所は敷地の西側の隣地境界線にそって、3台くらい薪小屋を作って、20立米くらいの薪を常時保管できるようにしようと考えています。
とりあえず、10月3日、最初に作る場所を決めるところから作業はスタートです。
四角竹という珍しい竹林と車を入れているテント車庫の間のこのスペース、朝から昼過ぎまで良く日が当たり、風の通りも良い場所です。しかし、集落の水道管が埋まっていて、それを、切ってしまうと隣の家と、自分の家が断水してしまうので、まず、水道管探しから始めます。水道管は集落の人たちが協力し合って施工したそうですが、図面が全然残っていないので、工事にかかわった人だけが、なんとなくこの場所でしょう・・・的に覚えているだけで、先行きに不安もありますが、取り急ぎ敷地内の状況だけでも把握して、水道管に負荷がかからない場所に薪小屋を作ります。
ロープは竹藪の中にある敷地境界線から1m内側に写した基準のラインです。このラインを目安に位置を決めます。
今回も再生工事をしたときに出てきた古材や廃材をフル活用して作るため、まずは、床の梁となる材料の寸法を優先して場所を決めて、基礎の位置出しをします。基礎工事も初めてだったので、全くの手探り状態です。上の写真では廃材の建具の直角を利用して、平面の直角出しをしています。ん〜大丈夫かな???
一応基礎の下は、土を叩き締めて、砂利も放り込んで、コンクリートで固めました。翌日、コンクリートは固まっていましたが、打設する範囲が狭かったからか(ちょっとけちりました・・・)手で力をかけると、コンクリごとぐらぐら動く基礎もありましたが、まー、薪小屋なので、重さに耐えて、少し沈んでも、後からジャッキアップで柱の下に何か挟んで調整すればいいだろうという方針で、このまま進めます。ここまで3日かかりました。
この後、宮城県での講演や稲刈りの手伝いなどがあって、15日まで作業はストップしていました。
ようやく材の加工に取り組みます。小屋の後ろ側と前で25cmほど段差があるので、それを吸収して平らな床を作る為に、床を支える梁は、前側の柱には仕口を作って梁を受け、後ろ側は梁の上に柱を立てる方法にしました。こうすると、仕口をつくるのが2箇所だけで済むので楽ちんです。
ここで角ノミの登場でーす!何をする機械かというと、柱に四角い穴を空ける機械です。年に数回しか活躍しませんが、これがあるかないかでは仕口を作る時間が全然違います。もちろん精度も良いです。中古で良ければネットオークションで15000円くらいで買えるので、日曜大工派は持っていると嬉しい一台です。
こんな風に仕口が出来上がります。受ける方は角のみで彫り込みます。差し込む方は丸鋸と手鋸で切り出します。やり始めるとあっという間にできる作業です。
仕口を作っておくと、仕口を組み合わせただけで自立していくので、1人でも組み上げられます。このあと、防腐塗料を塗って作業を終えました。
3日後の18日、ネット経由で注文していた屋根材が届いたので、屋根を張る準備をします。
屋根を受ける梁をビス留めして、垂木を渡します。屋根には大きな荷重がかからないので、梁も垂木も簡単な物で済ませています。垂木だけSPF材を購入してきました。
4尺のポリカーボネート板です。これもネットで激安で購入できました。本当に便利な世の中です。ひとまず、寸法を合わせて余分な分は切り落とします。
このまま、垂木の上に張ろうと思ったのですが、やはり、波板には横方向の下地材がないとダメですね・・・下地を入れて屋根を張ります。
高いところは全然平気なのでこういう作業も得意です。屋根を張る前に、周囲に簡単な壁をつけました。この板は、近くのボロボロの古民家から頂戴してきた材で、ところどころ腐っていますが、そんなに力がかかるわけではないので、多分、大丈夫でしょう。・・・
屋根を張った後、鹿児島の脱原発パレードに参加したり、姶良の自然農のお師匠さんの田んぼの稲刈り研修を受けたりして、数日が過ぎて、22日、間仕切りを入れる仕事をしました。
得意の廃材の建具です。これは、前のオーナーがどこからか持ってきた物ですが、不思議なことにところどころシロアリに食われているどうにもならない建具です。でも、基本的に方形に組み上がっているので、工夫次第では使いやすい材料です。寸法を採ってみるとちょっと工夫すればぴったり収まりそうだったので、これで間仕切りを作ります。
こんな風にカットして、、、
嵌め込みます。
縦に数枚の板きれを打ち込んで、簡単な間仕切りとしました。これで、お風呂用、薪ストーブ用、枝などの細い物、など、幾つかに分けて保管できます。
最後の仕上げは床材です。薪を2m近く積み上げるので強度のある床が必要ですが、こういう時はぶっとい孟宗竹にかぎります。許可を貰って、妻と2人で近所のお爺さんの山に入って竹を切って運んできました。こう書くと簡単そうですが、径が20cm以上ある孟宗竹は、切るのも、倒すのも、玉切りにするのも大変な作業です。
その竹を鉈で半分に割って、トントントンと置いていくと床の出来上がり。
こんな床になります。
完成した薪小屋1号です。10月3日〜10月23日まで、20日間もかかりましたが、初めての小屋作り、廃材利用でここまでできれば、合格でしょう!あとはどのくらい薪が入るかが楽しみなところです。
[…] 今まで、薪小屋1号、2号と作ってきましたが、ようやく最終形の制作にとりかかりました。といっても基礎を作り始めたのは去年の12月ですから半年かかってまだ完成していない状況です(苦笑) […]