フィジーなのにツバル?キオア島

1月下旬に現地事業の為にツバル国に移動して2週間ほど滞在した後、フィジー諸島共和国にあるキオア島というところを訪れました。こちらも調査と事業の実施が目的です。

キオア島は1940年代に、ツバル国内のバイツプ環礁とニウタオ島の110人の家長によって購入された島で、フィジーにあるのに、ツバル人が住んでいる、とても興味深い島です。また、この島には、ツバルにはない「山」があります。ツバルが海面上昇で沈んでしまったらキオアに移住する!というツバル人にも会ったことがあります。

朝ごはんの一例、お米とヌードル以外は地産

キオア島でまず驚かされるのは、この島の地力の豊かさです。バナナ、パイナップル、マンゴスチン、パッションフルーツ等の南の島国を代表するフルーツ類、そして、キャッサバ、ジャガイモ、さつまいも、ナス、クレソン、などの野菜類。もちろんココナツやブレッドフルーツ、タロイモも豊富に取れます。それらすべてが自然農で栽培されています。

島の人達は自然農などという言葉は知りません。周りの草を刈り取って、作物の根本に乗せておけば、勝手に実が大きくなるんだよ!簡単だろ!?という話をよく耳にしました。

ツバルでは食べられない豊かな野菜と果実、これがこの島の大きな魅力となっています。

さらに素晴らしいのは、島内には車もバイクもありません。船外付きのボートは幾つかありますが、島の人々の足は、手製のカヌーです!これで畑にも行くし、豚に餌もあげに行きます。夜になると、海上に浮かんだカヌーから女性の歓声が聞こえる時もあります。趣味と実益を兼ねて釣りを楽しんでいるのです。

島に唯一あるデーゼル発電機では、夕方6時半〜夜の10時半まで、各家への送電のための発電を行っています。わずか4時間の電気供給ですが、ここではそれでも十分事足りています。

朝方のこの島の静けさときたら、それはそれは最高です。こんなにエコフレンドリーな生活を送っている人々がいるなんて!本当に驚かされました。

肥料もやらずにどんどん育つタロイモとキャッサバ(タピオカ)

フィジー特産のベレという木、若い葉を食べることができる。とても美味しい。

調理はもっぱら薪を活用。

1ヶ月の滞在中に、150人の島の人にインタビューをして写真を撮らせていただくことができました。その中で、「あなたは幸せですか?」という質問もしています。驚いたことに100%の人が満面の笑みとともに「幸せです」と答えてくれました。

最近は子どもの教育や、僅かですが電気代、お米や小麦粉なども買ったりするので、少しお金が必要になってきているキオア島の暮らし。女の人はハンディークラフトでお土産物を作って僅かながら収入を得ていたり、男の人は釣った魚を市場に卸したりと、それぞれ、少しのお金を作る努力はしていますが、原則として、お金がなくても生き残れるし、それだけではなく、この島にいれば「楽しく暮らせる」だから幸せなんだよ!という話を沢山の人から聞きました。

なんて羨ましい暮らしでしょうか? 私たちには、こういう暮らしから学べることが沢山あると思います。

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