東京新聞に掲載されました。

311以降、地球温暖化や気候変動について、マスコミが取り上げる機会はめっきり減っています。原発問題、戦争法案問題、etc 政府は次々に問題を起こし、私たちの集中力を削ぐ政策を続けていて、個人の処理能力を超えてしまっているように感じています。情報化時代の副作用なのかもしれませんが。。。

山のツバルにおいては、川内原発1号機の再稼働問題は直面する最も大きい問題なので、可能な限りデモに参加する、疑問があれば九電に電話する、地方自治体にも問い合わせをする、等など、小さいことですが、対応を続けてきました。

もちろん、地球温暖化対策は山のツバルの運営母体となるツバルオーバービューのメインテーマですから、情報発信を続けています。8月1日に久しぶりにメディアがこの問題の特集を組んでくれました。今、一番まっとうな新聞社とも言える東京新聞の取材でしたので、丁寧にお応えしました。

インタビューでは、戦争法案にも言及しています。日本が戦争を始めてしまったら、ツバルでの活動ができなくなってしまうし、それよりなにより、戦争なんかしたくない!当たり前の民意を汲み取れない安倍政権を支える自民党は次の選挙で大敗することが確実です。

下記に全文を掲載させていただきます。ご興味があれば是非

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地球温暖化の問題から日本人の関心が離れているのを痛感します。二〇〇八年ごろが盛り上がりのピークで、私も年に百回は講演会に呼ばれました。それが今年はまだ一桁です。メディアが話題に飽きたこと、それから東日本大震災で原発問題に一般人の意識が向いていることも大きいと思います。
南太平洋にある島国ツバルに毎年春と秋の二度滞在します。平均海抜が2メートルに満たない地勢のため、海面上昇の被害を受けている国です。一九八〇年ごろから井戸水が塩辛くて飲めなくなり、主食のタロイモも育たなくなりました。ここ数年でも、海岸浸食のスピードは増しています。
温暖化だけでなく、より大きな現象として気候変動の問題が深刻です。干ばつが続き、飲み水が足りません。昔は襲われなかったサイクロンの被害にも遭うようになりました。今年二月にも直撃され、二~三日水没状態が続いた島もありました。
私は「ツバルを守ってください」とは言いません。近年は日本でも気候変動の影響が大きい。ツバルの暮らしをヒントに、自分たちの未来を守るための行動をしてほしいのです。
ほぼ自給自足のツバル人の生活を見て私が気づいたのは、結局お金を使わない生活こそが低炭素社会を実現するということです。今の経済や物流のシステムでは、お金を使えば使うほど二酸化炭素の排出量が増えるようになっているんです。
政府も、化石燃料の使用を抑えるためには再生可能エネルギーの活用を進めるのが本筋のはず。なのに原発の再稼働に突っ走るのは、判断軸が「個人」でなく「組織」にあるためだと思います。国民の安全とか幸せのためでなく、「国益」や大企業のことを考えて政策が決まる。国会で審議中の安保法制の問題とも、根っこは同じです。
問題を「組織」の手に置かず、「個人」に取り戻したい。その思いで、約一万人のツバル人全員をインタビューし、写真に収める計画を進めています。温暖化の脅威に日々さらされている彼らは「同じ一人の人間として考えてほしい」と訴えます。
その声に耳を傾け、「個人」として行動してほしい。「組織」のため、意に沿わぬことまでしなくていい。時には組織を離れて、例えばデモへ参加して自己表現をする。ひいてはそれがツバルを、そして私たち自身を救う出発点になるはずです。

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