田んぼの中でスケボーで遊ぶんじゃない!と、頑固親父の声が聞こえそうな光景ですが、本人はいたって真剣です。
自然農でお米を作ることは、良いことずくめで、否定するところなどはどこにもないのですが、問題は長時間に渡る田植です。耕さない圃場に鎌で草を刈り、根切をし、穴を開けて、稲の苗を植え付けていく。この一連の作業、土の硬い場所では1株を植えるのに5分位かかるときもあります。山のツバルの田んぼには3500本ほどの苗を植え付けることができます。1株2分で植えたとしても、計算すると、、、110時間ほど田植にかかる。1日6時間田植をしても20日間、ずーっと田植をしなければなりません。
その間には、豪雨が続いたり、出張が入ったり、疲れ果てて動けなくなったり、、、色々なことがあります。気が付くと一ヶ月半田植えしていたとか、、、その後、すぐに草刈りに入るので、3ヶ月は田んぼに拘束されます。それを楽しみとできれば良いのですが、半農半Xでの暮らしでは、この3ヶ月の拘束は厳しすぎます。
また、身体的にも負担が大きいようで、僕は、右肩が、肩ひとつ分前に出て、同じくらい下がっている状態になっていることが分かりました、妻も同様に身体への影響があるので、田植の作業を根本から見直すことにしたのです。
まず、冬期湛水をはじめました。少しでも土を柔らかく、また、固い根がはびこる雑草が生えてこないようにするという目的です。
4月になって圃場はこのような状態。草に隠れて見えませんが水が入ったままです。レンゲが咲かないのは残念ですが、概ね柔らかそうな草だけが繁茂している状況です。
ここで登場するのが、手前においてある角材、新商品の「ウエボー5・ロング・タンデム仕様」です。ちょっと反り返っているところがポイントです。
使い方は、まず田んぼの水を抜いて、ボーボーに繁茂している草を、根本から土の表面を磨くくらいの勢いで草刈機で刈り倒していきます。
刈り倒した草は、通常の自然農の田植と同じように条間に寄せておきます。そして、おもむろにウエボーを作付縄の下にセットして、2人かかりで踏み込みます。
冬期湛水のおかげで、土が柔らかく、ガッツリ穴が空きました。
その穴に、苗を植え付けていきます。写真はパレットで育てた苗、根の形が方形なので、穴にマッチして植えやすいです。畑苗代の苗も穴をちょっと指で広げて上げるだけで、簡単に植え付けることができました。
こちらは、畑苗代の様子、先月、急なツバル出張が入ったので、草抜きを1回もできなかったのですが、雑草の中で、稲の苗がちゃんと育っています。苗代の草抜きをしなくても良いというのも、大きな省力化になります。
※今回、全部の苗取りを終えての所感ですが、苗代の草取りはやったほうが、良い苗ができると思います。
中にはこんなに大きく成長した苗もありましたが、だいたいは右下に写っている程度の大きさです。
昨年までは2列植えるのに半日かかっていましたが、ウエボースタイルでは2時間ですみます。田植が楽しい!
ウエボーには途中から妻の提案で両端にロープを付けて、移動したり、乗って穴を開けたり、の作業が腰を曲げずに出来るように改造されて、さらに田植が楽になりました。
自然農のお米作りは、教科書的な書籍もいくつか出てきていて、始めやすい環境になってきています。まず、川口由一さんが開発してくださった、基本的な方法で4・5年ほどお米作りをして、圃場の表面に少し腐食の層ができてきたところで、自分にあった方法を模索していくというのも良いと思います。
田んぼはこの後、草刈りをしないで、実りの秋を待とうかと思っています。
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