蓄電池の設置と接続

11月7日からモロッコで開催されたCOP22にも注力しながら、電池の設置と接続に入ります。COP21で決まったパリ協定では、温室効果ガスの排出を0にすることが目標とされています。当然、山のツバルでもその目標を一刻も早く達成したいものです。

写真のMSE-500というバッテリーは産業用の物で機器の電源バックアップなどに使われる高性能な電池です。定価ではとても購入できない代物ですが、この電池のリサイクルを行っているNPO法人さんの手引で、今回入手することができました。

蓄電池提供元:NPO非電化地域の人々に蓄​電池をおくる会

それぞれは2V という低い電圧の電池ですが、重さは35kgあり、沢山の電気を長期間に渡って貯めることができます。24台を直列にすることで48vの電池として使います。電池の電圧は高いほうが効率がいいのです。35kg×24台=840KG この重さ耐えるために、床のコンクリート打ちから小屋を造り、地震のときにでも傾いたりしない電池設置スペースをつくりました。

電池は3月に運搬してもらいましたが、半年以上すぎても2v以上の電圧がありました。それを腰をかがませながら、おっちらおっちら運ぶわけですから、腰にきますね。。。それに、電池のプラスとマイナス極をショートさせると、一気に大電流が流れて大変なことになるので、注意しながら運ばなければいけません。

山のツバルの平均的な電気使用量と比較すると、計算ではこの電池の量は雨が3日間続いても、電力を供給できる量になります。鹿児島は冬暗く、梅雨が長く、オフグリットには向いていない土地です。特に、山のツバルは山の中にあるので、山の稜線や、近隣の杉の木などが邪魔をするので、完全オフグリットを実現できるかどうか確信はありませんが、やってみなければ結果は得られません。

電池の移動の後には、太陽光パネルからの配線も行います。電池置き場からの距離はおよそ20m。引き回しなども考慮して30mのラインを購入して敷設します。地面に埋め込むことになるので、PF管という電線保護管も使います。今回のPF管はツバルのODA工事で余ったものを貰い受けて、わざわざ日本に持って帰ってきたものです。ツバルにあっても誰も使わないので、苦労して運びましたが、ようやく日の目を見ました。

PF管の内部はコードの滑りが良いように作られているのですが、30mというと、PF管を設置してから電線を挿入するのは難しくなりますから、最初にPF管に電線を挿入してから設置していきます。

太陽電池パネルからはプラスとマイナスの2本の電線が出ます。念のためソーラーパネル接続用の電線を使用します。電線の太さの単位でSQ(mm2)という単位があります。電線の断面積のことなのですが、太ければ大量の電気を流しても発熱しないので効率が良いのですが、もちろん高価になります。あまり細いと火災の原因になったり、接続した機器の動作不良を招くこともあるようです。

今回は最大出力185w・最大出力電圧24.25Vのパネルを5枚直列にしています。出力される最大電圧はおよそ120v。一般的には3.5sqというケーブルを勧められるのですが、少し細い2sqという電線で配線します。

参考 Amazon:3.5sq 30m 片端端子 延長ケーブル

PS管に30mの電線を通す作業は結構難航しました。妻と二人で、あっちを引っ張り、こっちを振り回し、、、管に線を入れ込むことに夢中になって、2本ある線にプラスマイナスの目印をつけるのを忘れて、ちょっと面倒なことにもなりました。配線の前には極性の目印も必ずつけましょう。

ソーラーパネルからの配線が出来上がったら、次は電池の配線です。MSE-500はそれぞれの極が2つずつあるので、それを1つずつにまとめるケーブルを作ります。VCT8mm2と書かれている太いケーブルはNPO非電化工房の鈴木さんから頂いたものです。中の線を取り出して圧着端子で束ねていきます。

こう書くと簡単ですが、実は、このケーブル固くて強い!カッターで切れ目を入れて被覆をむくだけで手が痛くなるほどです。都城の超大型ホームセンターのハンズマンの我楽多市で1個15円で買い置きしていた圧着端子は、穴の大きさが小さい物もあったのでリーマーで大きくしてから取り付けます。

8sqを2本、端子に圧着すると、ケーブルの柔軟性が極端に下がります。配線する形をイメージしながら組み上げていくと良いと思います。

電池の双極に取り付けてターミナルとして使います。黒側はイメージ通りにできたもの、白側はちょっと失敗。

次は、電池同士の接続とコントローラーなどの機器の接続です。

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