自然農による稲作を2012年から続けています。上の写真では左側に最初にお借りした圃場の一部が写っています。この圃場の東・西・南は杉の林に囲まれていて、杉の成長に合わせて年々日陰の部分が多くなり、昨年は1反の面積のうち半分の5畝しか作付けできませんでした。圃場の表面には1cmほどの腐食の層が形成されていて、日当たりを除くと、自然農の田んぼとしては良い条件になっています。しかし、このままでは日陰部分が増えて収量が少なくなる一方です。
そこで、写真右側の区画もお借りすることにしました。一昨年までは、少し上流で行われていた砂防ダムの工事の事務所や、残土置き場などに使われていて、昨年、工事が終わるとともに田んぼの形に戻った区画です。
手始めに、山からの湧き水をパイプで流し込めるようにして、溜めてみましたが、まったく水がたまりません。ここまでは前回の記事でも紹介させていただきました。「新しい田んぼの開拓」
隣の爺さんは「トラクターで耕して代掻きしなければ駄目だ!」と言いますが、地球温暖化の原因になる二酸化炭素を排出するトラクターを使いたくないから自然農をやっているわけですから、僕たちとしてはトラクター導入はまず考えられません。
手作業で畦の形も修復しながら溝を掘っていきます。その傍らで妻が充電式の草刈り機で草を刈ります。山のツバルはソーラー発電で草刈機を充電できるので、草刈り機も使いたい放題です。
作業を始めてみると、工事現場に使用されていたために、小石、なかには人の頭ほどある岩も埋まっていましたが、障害物だらけ。その上、大きな地割れやモグラのトンネルが縦横無尽に走っていて、これは、水がたまらないな・・・という状況です。表土はかろうじて15cmくらいはあるようです。その下はシラス。これで田んぼになるのかちょっと不安ですね。
一気に1反を処理するのは気が遠くなるので、10mずつ4つの区画に分けて進めることにします。作業開始は4月25日でした。
区画を仕切る溝には畦板をいれて、水を区画ごとに溜めながら作業を進めます。
もともとの田んぼへの田植えも進めながら、5月1日には最初の区画の溝掘りと草刈りが終了しました。
排水口も作り直します。風穴のような土管風パイプは隣の爺さんが勝手に設置したオーバーフロー管。水が溢れたら困るからこれを使え!ということなのですが、あまりにも太すぎて恥ずかしい・・・立っているパイプの根本にはいつものように簡単に排水できるパイプを仕込んでいます。
翌日には水がたまりました!まず一区画、少し安心です。この後、長崎への出張などがあって、少し時間がすぎます。
5月10日から、気を取り直してもう一区画進めます。この区画の西側の畦際には、水漏れの原因になっていた2本のモグラのトンネルが有りました。それを丁寧に塞いだところ、2区画目も無事に水がたまりました。
隣の田んぼの田植えが終わったので、新しい田んぼも田植えをしながら開拓を進めます。5月23日になりました。
5月27日には2区画めの田植えも終了!
その後、無茶苦茶頑張って6月6日には新しい田んぼの開拓と田植えを終えることができました。
もー腰がよろよろです・・・ 今後、根気よく作付けを続ければ5年後には、そこそこの収量が見込めるようになるはずです。それまでは、ちょっと厳しいのですが、以前の田んぼの5畝にも作付けしながら、頑張っていきます。