雨の間を縫っての草刈り

毎日、毎日、よく雨ばかり降るこの季節。それでも生き物の営みは止まりません。特に雑草の類は日照不足などなんのその、ぐいぐい育っていきます。

ここは圃場の中でも地面が少し高くて水が行き届いていない場所です。こういうところではイネ科の雑草がどんどん伸びていってしまって、所詮外来種のイネは負け気味です。このまま放っておくと稲の苗が枯れ落ちてしまうので、雨の止み間を縫って、少しづつ草刈りを進めます。

自然農では「虫と草を敵にしない」というキーワードが有名です。自然農を広く世に広めた川口さんの言葉ですが、この時期はそんな悠長なことを言っていられません。根元から全て刈り倒していきます。刈り倒した雑草がやがて腐植となり圃場を豊かにしてくれるので大切な作業です。

草刈りをするときは稲の様子を間近に観察できる良い機会とも言えます。よく見ると、やはりいました、憎っくきイナグロカメムシ!稲を主食にするという忌まわしい虫です。カメムシに食害された茎は黄色く変色するので、離れたところからでもよく分かります。この茎からは穂が出ないので、カメムシは見つけ次第水の中で潰します。

1株に3匹くらい付いています。1組が交尾をしていて、その脇にもう1匹いるパターンが多いのです。卵を稲の茎に産みつけて、茎の中で幼虫が育つとのことで、最悪です。ちなみに山間部にしかいないようで、平野部の圃場ではこの虫の被害は少ないのかもしれません。

慣行農法では箱苗を作る時点でこの虫に対する農薬を散布しているので問題にはならないようですが、農薬がなかった頃のお百姓さんもこの虫には苦しめられたことでしょう。

雨にも負けず、虫にも草にも負けず・・・草刈りは出穂まで続きます。今年は冷夏の予報が出ていて、収量が少なくなることが見込まれているようです。

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