バイオトイレのし尿処理

2018年9月にオガクズトイレの糞尿分離の工事を行いました。その後、オガクズの持ちも良くなり臭いもさらに改善された上に、ステンレス槽内で尿を蒸発するために使用するヒーターでの電力使用も抑える事ができていて、糞尿分離は大成功だったのですが、尿の処理をどうするか?はなかなか解決策が見つからない問題でした。

液肥にするにしても自然農の畑では活用できず、しばらくバケツ大の穴を掘ってそこに自然浸透させていましたが、半年ほどで処理能力がオーバーしてしまいます。抜本的な対策を・・・と探していたところ

このような断面形状の処理が可能であるというホームページを見つけました。ガーデンベットと言うようです。さらに分かりやすい図面まで制作されていて、この図面には助けられました!感謝感激です。

有孔管から染み出した尿が砂利を通して上部の土壌に染み込んでいく際に、微生物の力で分解する仕組みです。グランドカバーに野菜を植えれば窒素が補給されるので良く育ちそうです。

トイレから水勾配を考えて、配管経路がとりやすく設置しやすいのが、昔、斜面だった場所を埋め立てて畑にした南側の5坪ほどの畑が良さそうだ、と言うことになり工事開始です。

奥行き方向に5mほどの広さの畑です。毎年ゴーヤがよく育つところです。75mm径5mの有孔パイプを購入しておいてみたところ、どうにか治りそうです。

50cm程度の縦長の穴を掘らないといけないのですが、この畑も自然農で行っているので、まず大事な表土を保存するために20cm程度の深さから表土を剥ぎ取って隣の畝の上に並べていきます。隣の畝も痛めたくなかったのでビニールシートをひいてその上に並べていきます。

5月1日、まだ涼しい時期ですが、久しぶりのドカタ仕事で汗だくです。

1日かけてようやく深さ50cm、幅1m、奥行き5mの穴ができました。

防水シートを張るのが理想かと思いますが、防水シートは高価なので中古の波板で代用します。完全な箱型の防水処理をしていないのは、梅雨時期に水分を外側に流しやすくするためです。最初のスケッチは多分カルフォルニアなどの乾燥地帯を想定して書かれたものではないかと勝手に解釈しました。梅雨時期に箱型の防水槽に雨がたっぷり溜まってしまったら畑がぬかるんでしまうのでは?と思います。

トイレからの配管も用意します。水勾配を上手に設定しながら設置するのはなかなか大変でした。これも塩ビパイプで作った方が理想かと思いましたが、田んぼの引っ越しで不要になったサクションホースがあったので、それを活用します。経路はおおよそ10mとなりました。

有孔パイプの下に砂利を敷設します。

上からも砂利を敷設したところ。波板がしなってちょうどいいプール構造ができたように思います。水を流して配管経路の動作も確認してから埋め戻します。

表土を戻して完成です。この後は配管経路のトイレへの接続と埋め戻しがありますが、全部合わせて3日ほどで完成しました。右奥に塩ビパイプが逆U型に出ていますが、これは有孔菅の中に空気を送り込んで好気性細菌の活動を促すためのものです。空気抜きにもなるので、これがあった方が配管の中の尿の流れはスムーズになると思います。末端にはスポンジを押し込んで虫の侵入除けもしています。

6月になって種生えのゴーヤが出てきました!計算通りです!!やっぱり表土は大切です。

1ヶ月経過していますが、今のところ配管の詰まりもなく、畝周辺で異臭がすることもなく、無事機能してくれているようです。

し尿の窒素分でゴーヤが今まで以上に収穫できるのでは?期待しつつ今年も棚を制作しました。夏が楽しみです。

2020/09/20 追記

結果、ゴーヤは大成功です!シゲルシゲル、ミノルミノル、8月中旬から食べ放題になりました。

他に、トマト、シシトウ、生姜を植えてみましたが、トマトは栄養がありすぎたようで実がならず、シシトウは窒素が多めになったせいと思いますが、カメムシが大量についてしまって、こちらも実はなりません。生姜は今のところ順調に成長しています。

し尿処理用ガーデンベットは作物を選べば有効に機能する、と言って大丈夫だと思います。ゴーヤの後に、自然農では育ちにくいじゃがいもと玉ねぎ、白菜やブロッコリーなどを植えて様子を見てみようと思います。

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