山のツバルの水道水は集落水道と呼ばれる地域水道です。近くの湧き水をポンプで高台のコンクリート水槽に圧送し、そこから塩ビパイプで各戸に配水しています。昔は井戸水で生活していたようですが、子牛の生産農家が増え、水の需要が増えたことがきっかけとなって、この水道を整備したようです。
水槽や配管の中に苔がつくのを防ぐために微量のカルキを混入していますが、一般的な水道水よりも少ない量です。水質はとても良いのですが、管理面に不安が残ります。というのも、各戸への配管を集落の人たちがDIYで行ったため、いったいどこに配管を埋めたのか?図面がなかったり、色々不備があって、何かあったときに若干不安が残ります。
そこで、災害時や普段の畑の水やりなどに使える水源を敷地内に確保できたら良いな〜という願望があったのですが、ボーリングなどで井戸を掘るのは資金的に難しく頓挫していた案件です。
1年ほど前に近所で「西田式水脈探し」という方法を体験して、もしかしたら水脈に当たるかもしれない!?という一途の望みをかけて、考案者の西田さんをお招きすることにしました。今回は4日連続、4箇所で水脈を探しました。
単管パイプを深さ10mまで打ち込んで、水脈に当たれば水が出るし、当たらなければ、次の場所に打ち込んでみる。という「探し」というよりは「さぐり」てきな方法です。最大でも10mまでしか掘れないので、飲水に適した水がであるかどうかは検査してみないとわかりません。
単管パイプの他に特殊な道具をいくつか使いますが誰にでもできる方法ではあります。詳しくはYoutubeに動画が上がっているので、そちらを参考にしてください。
山のツバルでは、1日で3箇所にパイプを打ち込んでみましたが、水の気配は全くなし!でした・・・残念、、、
今回4日間続けて行った結果、南九州でシラス(大昔の火山灰)の地層があるところの高台では無理。ということです。シラスは透水性が高いので、帯水層とならない上に、その厚みが10m以上あるという厳しい状況なのです。
10m以上掘れば良いんじゃない?ということになりますが、単管パイプの細い直径に適合するのは手押しの浅井戸ポンプのみ、浅井戸ポンプは10mまでしか汲み上げることができないのです。
2m・3m・4m・5m・6mと順番にパイプを打っては抜き、打っては抜き、しながら深いところまで探っていきます。打ち込みも体力勝負ですが、打ち込んだパイプをチェーンブロックで抜き上げるのも大仕事です。チェーンブロックの支柱も特注品です。
水の気配がまったくない穴と抜き出したパイプ。
6mの次は打ち込んだ6mに4mのパイプを溶接して更に打ち込みます。それぞれの作業にコツがあったりノウハウがあったりするので、見様見真似でやっても挫折するかもしれません。
打ち込んだ6mパイプに4mを溶接しているところ。この溶接は難易度が高いそうです。
脚立に登って打ち込みます。シラス層なので深くなっても打ち込みは比較的簡単でした。
10m打ち込んだパイプの先端から出てきたシラス。若干湿っているかな?程度の水気しかありません。
打ち込んだパイプには1m分、土が詰まっているので、それを取り出す作業も地味に大変です。10m掘った場合には5m近く土が詰まっているので、ずいぶん時間がかかります。
ホースを突っ込んで水の勢いで中身を流しだすのが一番簡単な方法です。このとき、土が詰まっている部分を金槌でカンカン叩いて衝撃を加えると作業が早くなります。
井戸掘りではなく、うちの敷地には水脈があるかな?ちょっと探ってみようかな〜的なノリで友人を集めてワイワイやって1日を楽しみたいな〜という気持ちで行うのが良いと思います。西田さんへの依頼料はボーリングの井戸掘りに比べれば格安ですが、旅費や機材の貸出料などもあるので、そこそこの金額にはなります。
指導をしてくださった考案者の西田さん、そして、当日集まってくださった皆さん、ありがとうございました!楽しい一日を過ごせてハッピーでした。
地下水が無理だったので、今まで通り、雨水利用を検討することにします。